2009年03月22日

引越し

いつもありがとうございます。

心機一転、Blogの引っ越しをしようと思います。

新居にいらしていただける方はこの記事にコメント頂ければURLをメールにてご案内致しますね。

引き続き宜しくお願いいたします。



nao_hiko_ at 01:15|PermalinkComments(56)TrackBack(0)

2009年03月11日

ここに立つ意味

世界経済に負けず劣らず、社内にも嵐が吹き荒れています。
一緒に頑張っていた同期や尊敬していた上司、可愛がっていた後輩がいなくなり、自分が所属していたチームは解体されました。
リストラ当日の光景は想像していたより凄まじく、まるで銃弾が雨のように降り注ぐ中で裸で立っているかのよう。
或はアウシュビッツで広場に整列して並ばされ、一人また一人と窓のない部屋に連れて行かれるかのよう。
あの時ほど電話の音が怖かったことはありません。
どんなに時間が経っても記憶から消えて無くなるとは思えません。

もちろんお客にはそんなことは関係ないので昨日までと同じように仕事は続きます。
ただこういう事態になると、やはり改めて自問せずにはいられないのです。
何故自分はこの仕事を続けるのかと。
私のモチベーションはなんなのかと。

完全には答えが出てはいませんが、私が働いていて常々思うのは、とにかくいい仕事がしたい、ということです。
この仕事の好きなところは、何百、何千、時には何万人もの人が人生を預ける会社という組織の、それこそ一世一代の命運をかけたようなプロジェクトに、年次も関係なく一人一人がプロとして、戦士としてチームを組んで取り組めることです。
頼りあったり助けあっても、決して互いに甘えたり依存するのでなく、それぞれが自分で考え責任を持ってお客に相対し、お客さんのために協力して頑張る。
お客さんも社運をかけていますから、スーパースターが集められる。
彼らと互いに尊重しあいながらダッグを組んで力の限りを尽くしてゴールを目指す。
そうして修羅場を一つくぐり抜ける度に、確かに成長している自分を感じられる。
そういう所にとても魅力を感じているのです。

(つづく)


nao_hiko_ at 21:43|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2008年12月12日

歪み

うちの前の社長が何兆円かの損失をこさえて会社を辞める際に何十億円もの退職金をもらっていた

本社の役員は普通旅客運賃の何十倍もするであろう、我々の年収を片道で飛ばすようなプライベートジェットを使って来日しリストラで凹む社員を励まそうとしていた

GMの社長は公聴会にプライベートジェットで来たのが批判されると次回は電気自動車で登場した
でも帰る時は運転手付きの超高級車だった

アメリカ人てなんで空気もよめないバカばっかりなんだろう

なんてことを考えていたら
自分もNYに仕事で行く時にエコノミーなんて最早耐えられないって思っていることに気づいた

歪んでる
体の、感覚の、そして心のいろんなところが歪んでしまっている


nao_hiko_ at 03:11|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2008年10月12日

三年後の自分へ

譲らない五つ

1. 謙虚であること
大学を卒業し入社した頃のように謙虚でいられているだろうか
仕事をこなすことができるようになった、ということで仕事ができるようになったと勘違いをしてはいないだろうか
職務に必要な知識や経験を得たことで自分は世の中の大抵のことを知っているなんて思っていないだろうか
景気がいい、会社の業績がいい、チームの成績がいい、同僚からの評価がいいことが原因で頂いている給与やボーナスをもって、自分の実力や価値への正当な対価だと勘違いしていないだろうか
金融が経済を動かす原動力になっているなんて考えていないだろうか
すごい人は世界中にたくさんいる
すごいことは世界中でたくさん起こっている

2. 努力を続けること
目の前の仕事が片付けられるようになったからといって、勉強を怠っていないだろうか
知識や情報を吸収することだけに捉われるのでなく、会社や仕事に依存しない自分の思考や行動、そして生き方を高められるような勉強をしているだろうか
自分の立ち位置を自分で限定するのでなく、視野を常に広げ自分の可能性を模索し続けているだろうか
石の上にも三年、短期的な興味に振り回されるのでなく、中期的な時間をコミットして一歩ずつ足元を固めながら前に進むようにしているだろうか

3. 素直であること
人の批判や忠告を受け入れ、成長の糧としているだろうか
色んな考え方を受け入れることも思考の幅を広げること
誇りを持つのは大切だけど、独善的になるくらいのケチなプライドは毎日トイレに流すように
あとくだらないことをあれこれ考えるのでなく、感じたことはどんどん表に出そう
計算高さなんていうくだらない毒は仕事だけで十分だ
こじんまりまとまるのでなく、大きな人間であろう

4. 仁義を通すこと
格好悪いことはしていないか
格好悪い人間にはなっていないか
保身を恐れて筋を曲げない
相手が汚いからといって自分まで汚さない
身内は最後まで守りきる
人をだますくらいならだまされるほうがよっぽどマシ
誠実でなければ生きていく意味がない

5. 楽しんでいること
仕事でもプライベートでも、毎日楽しいと感じることができているだろうか
明日の為に今を犠牲にしない
楽しいと思えることでなければ続かない
自分の感情を誤魔化して楽しくない何かを正当化しようとしない
いつでもワクワクセンサーを磨いておくように

そしてプラス1

6. 無理をしすぎない
自分がそんなに高尚でも能力が高いわけでもないことを自覚しているだろうか
目指す場所に立てていなかったり、ありたい自分になれていなかったりすることに圧迫されていないだろうか
一歩ずつ歩みを止めないことが大事なのであって、到達できていないことに葛藤し自分を追い込む必要はない
気楽にマイペースで歩けていればそれでいい



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2008年09月15日

時代の節目

数年後になって今を振り返れば、「時代の節目」だった
そんな風に思うのじゃないだろうか

ベアスターンズがJPモルガンに救済され、メリルリンチがバンクオブアメリカに買収され(事実上の救済か)、リーマンも何らかの方法で救済されると思っていたら破産法の適用を申請した

サブプライムの問題が徐々に顕在化しはじめていた去年夏、サブプライムマーケットの仕組みを知るにつれ、そして末端のサブプライムローンがどのように組成されているのかを知るにつれて、これは時代を変えるだけのインパクトがある、そう思いそう周囲にも話していたのだが、図らずもその通りになってしまった
これから先、世界は一体どうなるのだろうか

この若さで、この時期に、こんな世界が変わろうとしている激流の正に真中に身を置けていることに感謝したい

nao_hiko_ at 21:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年08月03日

リクルーティング: 誠実さ

先日リクルーティングに携わる過程でこんなことがあった

学生Aは以前うちの会社のリクルーティングイベントでパフォーマンスは”それなり”だったが人懐っこい性格と愛想の良さ、そして何よりうちの会社に入りたいという強い熱意が決め手になり、実際の新卒採用時では真剣にオファー(内定)を検討するという立場だった
その後開催されたサマーインターン選考時には彼の個人的な事情から応募が遅れてしまったのだが、「どうしても入社したいので遅ればせながらプロセスに加えてほしい」とこれまた熱意ある訴えが認められ、原則応募が遅れた人の参加は認められないが、極めて例外的な取り扱いとしてプロセスに加わった
ところが選考が進んだある時、「C社から先にインターンの内定をもらったので今回のインターン選考は辞退させて欲しい」とメールが一本きた
また、「実際の採用選考時にはまた応募するのでその時は宜しくお願いします」と。
彼は本当に”愛想のいい”人間だった

学生Bは一昨年前の採用プロセスで、A同様現時点での実力というより入社への熱意が認められ成長のポテンシャルに賭けるというたてつけでうちの会社からオファーを得た
ところがオファーを通知した1日後に「D社から内定が出たので辞退したい」と満面の笑みで連絡をしにきた(恐らくD社から内定を得た直後で嬉しかったのだと思う)
D社のリクルーティングを担当している友人に話を聞いてみると話はこうだった「オファーを出すかどうか際どい学生だったけど、E社(うちの会社)からの内定を持ってきて「オファーをもらえないならE社に行く。今オファーをもらえるならD社に行く」と交渉しに来たんだよね。彼女のパフォーマンスには正直一部疑問が残っていたものの、E社から内定がでるくらいであればやはり実力を備えているのだろうと思ってオファーを出したんだよ」
彼はうちのオファーを交渉材料にしてD社のオファーを得たのだった

オファーを検討する際には、その学生に明確な実力がありその後の成長も十分期待できる場合と、その時点では実力が証明されていない或いは明らかに足りていないものの入社後の著しい成長が期待される場合がある
AもBも明らかに後者だったのだが、彼らは創り上げた熱意を実力にのせて自分の評価をかさ上げしていた
AもBも、彼らの行動は学生としてみたら当然なのかもしれない。内定を得なければ何も始まらないし、内定を得るためだったら”嘘も方便”、できることは全てする、と

仕事を始めて分かったことが二つ
金融という仕事の”汚さ”と、正反対にビジネスの大部分は”信頼”で支えられているということだ
扱う商品が”お金”そのものなので人間の欲望がむき出しになりぶつかり合う汚さはある程度予想したとおりだった
だけど僕らの仕事の大きな部分が信頼で支えられていると分かったのは新鮮だった
チーム内、会社内にとどまらず、競争する他社とでさえも根底には信頼が無ければ仕事は成立しない
他者を騙すことで短期の利益を上げることは容易だが、業界に長くいる人はほぼ例外なく社内外から信頼を得ている人間だった

学生A、Bは自分のことを世渡りが上手いと思っているのかもしれないし、就職活動に関しては上手くやったと感じているかもしれない
だが彼らには最も大切な”誠実さ”が無い
その場を取り繕う張子の虎だ
僕も僕の同僚も彼らの顔と名前を忘れないし、将来交わることがあったとしても一緒に仕事をすることはないだろう
信頼できない人間に自分の背中を任せることほど危険なことはないのだから

nao_hiko_ at 16:00|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2008年07月06日

My style

只今研修にてアメリカのニューヨークから電車で1時間ちょっとの郊外に滞在中
3年ぶりにアメリカやロンドン、インドに香港の同期と顔合わせ
見たことある人もいれば見たことあるようなないような人もいて何だか入社当初に戻ったようだった
内容はビジネススクールの2年間のMBAプログラムからエッセンスを抜粋して3週間に詰め込んだもので、全くのノンネイティブな自分には結構大変なカリキュラムで
またなんでこんなにできないんだろう、と久々に自分自身に失望する毎日です

まぁでもよくよく考えてみると、もともと自分はあまり頭も良くなければ要領がいいわけでもないことを思い出した
会社に入って3年が過ぎ、今でこそある程度のことは目をつぶってでもできるようになったし、上司と議論したり客先に出向いてもなんとかやっていけるようになってる
けど、入社当初は間違いなく同期の誰よりも仕事はできなかったし、それは入社直後のニューヨークでの研修でも痛感したことだった

昔に遡ってみれば中学受験だって塾では4つの成績別クラスで下から二番目ぎりぎりから始めて、受験直前でも一つクラスを上げただけだった
中学、高校時代も特定の好きな科目以外は軒並み平均より悪くて、赤点ぎりぎりの科目だっていくつもあった
大学受験に至っては受験科目が2つしかないのに高校三年の12月まで模試の偏差値は50で当然のE判定、それも最後の2ヶ月でぎりぎりの滑り込みセーフだった
頭の出来があまり良くないから幅広くは出来ないし理解に時間がかかる
要領も良くないから遠回りでも目の前にある一つ一つのピースを黙々と組み立てることでしか前に進めない
そうやって今までやってきたんだった

同期の言葉
「私の上司の一人は物凄く頭が良いんだけど同時にとてもラディカルで色々なお客さんから出禁(出入り禁止)を食らってる。もう一人の上司は如何にも自信が無さそうで二言目には”すみません”って謝るような人なんだけどお客さんに嫌われることはない。だけど二人ともうちのオフィスではトップスターの稼ぎ頭なんだよね。結局スタイルが違うって言うだけで、断片を切り取って人と比べたって仕方がないんだよ。」

毎日積もり積もる”分からないこと”を時間がかかってもできる限り全てを噛み砕いて自分の肉としていく
目標は遠くに置きながらも、多くの本を読み、人と話をし、毎日地道に勉強を続け、それを繰り返す
それが今の自分のスタイルだ
打ちのめされて上等
赤点がなんぼのもんだ
歯を食いしばって一歩ずつ進めていこう

nao_hiko_ at 06:03|PermalinkComments(2)TrackBack(0)