2007年10月25日

金融業とは


金融業

例えば世界が漁業で出来ているとするとこうです
1. 漁師さんが毎朝魚を獲ってくる
2. 魚を市場で競り(セリ)に出す
3. 魚屋さんは市場で魚を競り落とす
4. 魚屋さんはその魚を料理屋さんに卸したり、お店でお客さん(消費者)に魚を売ったりする
ここで金融業(ここでは"業者"といいます)の登場です
a. 漁師さんは漁に出るための船を買う。自己資金だけではとても買えないので、業者からお金を借りる
b. 漁師さんは嵐にあって頑張って買った船が壊れると生きていけないので、業者を使って保険をかける
c. 漁師さんは自分の獲った魚をより高く売る為に業者に一旦預ける。業者は出来る限り高い値段をつけて魚屋さんに売り、代金の一部を懐に入れ、残りを笑顔で漁師さんに渡す
これが"基本"です
(ちなみに、aの業者を銀行、bの業者を損保、cの業者を証券会社(投資銀行)と呼び、一般に金融業と括ります)
ここからは"応用"です
d. 漁師さんは、より大きい船を買うために、手数料と金利をたくさん払って、沢山の業者から少しずつ借りる
e. 漁師さんは、魚屋さんの需要によって魚の値段が変わるのが嫌なので、手数料を払って業者に定期的に買取ってもらう契約をする(或は保険をかける)。
f. 魚屋さんも、魚の値段が変わるのが嫌なので、手数料を払って業者に一定の値段で魚を卸してもらう
g. 業者は海の向こうの市場から、珍しくておいしそうな魚を仕入れてきて、魚屋さんに売るか(何処で誰がどうやって獲って、実際美味しいかは別の話)
h. 料理屋さんや魚屋さんも実は業者だったりする
i, j, k, l, m....

漁師も魚屋さんも、なんとなく業者に掠め取られているような気がしますが、基本サービスは必要不可欠なので利用せざるを得なく、応用サービスも話を聞くと便利そうだから利用してしまうのです
そして気が付くと、業者は漁師の何倍(時には何十倍、何百倍)もお金持ちになり、毎日極上の魚を食べました
一方漁が上手にできなかったり、アクシデントで漁を中断せざるを得なかったり、金利を払えなくなってしまった人たちは、職を失い、病気になり、生きていくのでさえも精一杯になりました
ある町の漁師が一年間に魚を売って得るお金を、ある町の業者は数秒で稼ぐようになりました
ある町の子供が路上で一年と生きることなく死んでいき、すぐ隣の町ではその子供が一年命をつなぐ為に必要なお金の何千倍、何万倍もの家が飛ぶように売れていきました


nao_hiko_ at 01:12|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2007年10月10日

包帯とレシピ

久しぶりにいい映画を観たので紹介します

"包帯クラブ"
高校生の主人公達が他人の、友人の、自分の心の傷に包帯を巻き、痛みを分かち、前に進もうとする姿を描いた映画です
傷の舐めあい的な映画は好きではないので観るのに一瞬怯み、序盤の絵の撮り方にストレスが溜まり席を立ちそうになりましたが、最後まで観ると意外にめっけものでした
とにかく柳楽優弥の演技が秀逸
石原さとみもいい
クライマックスでディノ(主人公)が叫ぶシーンには痺れました
高校生の時には、こんなにも友人や他人を思い遣り、自分の内側を曝け出し共有できるような友人と何かにぶつかることは無かったな
ただただ余裕がなく、社会に、学校に、時には友人や親にさえも敵意をぶつけていた気がする
そして時たま触れる人の優しさや大きさを感じるにつけて、あぁなんて自分は小さいんだって感じてた

"幸せのレシピ"
料理を仕事とし、仕事を自分に置き換える主人公ケイトと、自由に、そして我が侭に人生を謳歌しようとするニックの純正ラブストーリーです
上手い具合に胸の裏っかわを引っかくところは王道といった感じです
真面目さがゆえに空回りする主人公が、ニックの不完全さに絆されていく姿はとても愛らしいです
恋愛映画なら「これくらいが当たり前」と思ってしまうけど、当たり前のことをできる映画は多くなく、久々に良質な時間を過ごせました

映画はいいよね
一番手っ取り早く現実からトリップできるので、週末は暇を見つけては映画を観ています
次は"ミルコのひかり"を観る予定です

なにかいい映画があったら教えてください


nao_hiko_ at 00:32|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2007年10月02日

惰性な一日

一番ストレスが溜るのは、問題があるのに取り組まず、やるべきことを先送りにして一日を終えた時だ
臨戦体制で待ち構えているならいい
やることは無くとも、やる気は見せて欲しい
上が動かないならもう自分で動かそう
それでも駄目ならいっそしばらく忘れてしまおう


nao_hiko_ at 02:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年09月17日

円と円

朝七時に起床
従姉妹夫婦とその息子とご飯
ひとしきり戯れて見送る
思い出したかのような夏の風に包まれながらシャワーを浴びて、昔心を強く動かされたマンガを片手に二度寝
両親と撮った写真を先週買ったパソコンでチェック
近くのお蕎麦屋さんまで散歩してランチ
懐かしい人と再会して立ち話

なんでもない時間なのにすごく気持ちのいい時間だった
たくさん稼いでタワーマンションに住み、スポーツカーに乗り、たまの休みには海外でバカンスすることに喜びを覚えるのではなく、
一枚の写真や一つの言葉にも幸せを見い出すような生活をしたいと思う
同時に、この世に生まれてきて、これまでずっと育てられてきた以上、受動的に惰性で仕事をして生かされるのではなく、人を、社会を生かすことができるような人でありたいし仕事をしたいと思う
今足を突っ込んでいるこの金融という仕事で、自分には一体何ができるだろう
円と円が重なる場所は未だに描けていない


nao_hiko_ at 14:24|PermalinkComments(1)TrackBack(0)

2007年08月05日

ハニカミ?

としまえんプールでフジテレビにハニカミ王子になりませんかと誘われました
王子にはなりたいのですがハニカミというのがなんのことかよくわからなかったので断りました


nao_hiko_ at 16:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年07月26日

尊重

2度目のfull year bonus communicationが終わった
1年間を振り返り、自分の評価を定量面・定性面の両面でフィードバックを貰い、今期のボーナスと来期のベース給料が通知される
昨年はがむしゃらに突き進んでなんとか足場が固まってきたのを実感し
今年は自分のペースとポリシーを確立して、この組織における存在感を感じられるようになってきた

新しい人と働く時、大抵一度はガチンコでぶつかり合う
出したアウトプットに対して猛烈な詰めが入り、それを片っ端から打ち返していく
そうする中でお互いの実力やパーソナリティを認め合えるようになり、それからは適度な放任と自由な空気が流れるようになる
そうしてオフィスの中に、好きな人が一人、また一人と増えていく

部門長とのコミュニケーションの後、ボスのところに行き一部始終を話した
「これからの一年は、やりたいことをやりたいようにやったらいい。出来る限り求める機会は提供するし、どんどん案件をドライブしていっていい。それでにっちもさっちもいかなくなりそうだったら相談しに来い」
お互いを信頼し、尊重しあえる。年齢は20くらい離れ、社会人暦は10倍以上違うのに、こんな関係性を築けるのはとても幸せなことだ
彼の、会社の、一緒に働く人の期待に応えながら、慢心せずに毎日楽しくやっていこう


nao_hiko_ at 03:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年07月10日

ブルドック関連: 珍事


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「当社の製品をご存じないので、株主になることはできません
あなたがある会社の株式を購入しようとした時、会社からこう言われるのを是とするか非とするか。
もしくは、既に保有している株式を買い増そうとした時に、
「当社をどのように経営していくのか方針を示していただけないと、買い増しはお断りします」
と言われるのを是とするか非とするか。
舞台を東京高等裁判所に移したブルドックソースと米投資ファンドのスティール・パートナーズの法廷闘争のポイントを分かりやすく表現すると、上記のようになる。例に挙げた「あなた」はスティール・パートナーズ、「当社」はブルドックソースに置き換えられる。
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/nbonline.cfm?i=2007070500011cs
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昨日東京高裁はスティールを「濫用的買収者」と認定しました
「彼らは泥棒猫であり、餌をやって追い払ってしまえ」と「法的」に認めた形です

なんとも世の中には不思議なことが起るものです
冷静かつ理性的、中立的な判断をすべき司法が、極めて感情的かつ主観的な判断をしてしまいました
裁判長である藤森氏の判決の根拠は、明らかに偏重かつ非論理的な内容です
彼が資本市場について、企業価値について、熟慮し理解しようとしたとは到底考えられません
根拠に一々反論するのは自分が馬鹿みたいなのでしませんが、買収防衛策の適法性を認めるのみならず、スティールを「濫用的買収者」と「法的に」認定したことは余りに浅はかです
また、本件を担当した岩倉弁護士はプロとしていい仕事をしたと思いますが、ブルドックの池田社長は別です
世間では彼女を「決断の人」と評価する風もありますが、私から見れば感情的で愚鈍で上場会社の経営者としての資質を明らかに欠く残念な人です
株主総会の答弁内容を見ても、株主に判断材料として提供されるべき情報が故意か過失かなおざりにされており、その点を質問されても質問内容が理解できないところ見ると、まさになんとかにつける薬はないと言ったところです

せっかく資本市場が整備され開放されてきていると思ったら、想定外の情けない横槍が入りました
極めて意外で、世の中いったいどうなっちゃってるの?というのが正直な気持ちです
まさに時計の針が逆戻りしています
この事例を持って、いわゆる欧米的経営に対する回答としての日本的経営と世界に判断されるなら、とても恥ずかしくて、まさに「穴があったら入りたい」という感じです


nao_hiko_ at 14:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)