ファンキークルマイスモノの価値

2005年03月26日

限定された選択肢

昨日、原宿の麻布テーラーに行ってみた。
スーツのサイズがなかなか合わないから、いっそのこと作ってしまおうかと思って。

で入っていって、店員さんに相談してみた。
目の前に、何百種類もある生地見本がどんと置かれ、放置される。
好きなのを選んでくださいと。
うーん。
何を基準に選べばいいの?
そもそもこんな小さな布切れ見ても想像できないって。

オススメを聞く。
「これとこれなんかはよろしいんじゃないですか?」
これとこれ・・・両方ともダークネイビー・・・違いは?
「全体的な質感ですね。できあがると違いが分かります。」
じゃあ今はわからないのね。。。

「5万円の生地と10万円の生地だと全然違うんですか?」
と俺。
「そりゃあもう全然違いますよ。ほら、この二つのスーツ全然違うでしょ?」
と言われ、とりあえず触ってみる。
「いや手触りというか、全体的な雰囲気の話ですよ?」
雰囲気かぁ。やれやれ。。。

最終的には「一度会社に入られてから決められたらいいんじゃないですか?」
という感じのことを言われ、もういいやと思って店を出る。

昔、研究会の先輩が
「消費者は、幾つかの中から選ぶことを欲するけど、無限の選択肢を前にするとひるんでしまう」
みたいなことを言ってた。

例えば赤、青、白の車があったとする。
そのケータイの売り上げの9割が青だったとしても、白だけ生産すればいいということにはならないのだ。
一つしかなくて青を選ぶのと、三つあるうちから青を選ぶのは、結果的には同じでも意味合いが全然違うのだと。

ただ逆に、自分で好きな色を指定して選べるというと言われると困ってしまう。
あまりに選択肢が多くて何を基準に選べばよいのか分からないのだ。
同じ青に行き着くとしてもその時間が数倍かかってしまい、結果としてストレスにもなりかねない。

この麻布テーラーという店では選択肢が膨大だ。
何千種類の生地見本から自分にあったものを探す。
それはそれで楽しくなる人ならいいのだが、スーツ初心者の自分には辛い。
とりあえずどうしたらいいのかわからない。

お客さんにはいろんな種類の人がいる。
みんながみんな、無限大の選択肢を楽しめるわけではない。
時にはその選択肢を限定してあげることも大切なんだろうな。

nao_hiko_ at 23:14│Comments(0)TrackBack(0)

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